2009/08/05

あり得ない

実は昨日乗用草刈り機で大事故を起こしました。
それこそ不幸中の幸いで、けがは命に関わるものではなく済んだのですが、
この機械、とても便利だからついついその便利さだけに気が向いて何も考えずに使っていたのですが、
今回の事故でこの機械には農機具として以前に、乗り物として重大な構造的欠陥があることを思い知らされました。

それは、ある条件が揃うとブレーキが全く効かなくなること。

かつて自動車の仕事に携わっていた人間としては、走る、曲がる、止まるの三大要素が機能していないものは車ではなく、
ましてやそれを商品として販売することは殺人の道具を売っているのと同じで、相当な社会的責任を負う覚悟があるとしか思えません。
平らなところでは起こりえない事故ですが、と言うことは、この機械は傾斜地で使うことを全く想定していないとも思える構造であります。

話に聞けば、実は同じ経験をされた人がいると言う。
なのに改善されないのは、いかに製造者が使用現場を見ていないかということが手に取るようにわかるのです。
説明書に明記してあるからOK(免責される)じゃないんです。
ブレーキが効かないということが、整備不良ならともかく、構造的に起こりうるなんてことはあり得ない話です。
しかもそれをメーカーの人間はあたかも当たり前のように話します。

今や草生栽培が増えて、乗用の草刈り機を使用している農家はとても多いです。そして事故も多いです。
この機械を傾斜地で使われている農家の皆さん、十分に気をつけましょう。
この機械は、ブレーキが効かなくなることが普通に起こり得るのです。

メーカーには「構造的に難しい」なんていう言い訳は許されないと言うことを肝に銘じて製品を作っていただきたいものです。
私はかつて自動車レースの車を作っていましたが、当時上司からよく言われたものです。
「この小さなナット一つに運転手の命がかかっていると思え!」
「常に自分が運転手の命を預かっていると思え!」って。
この機械を作っている人にそういう自覚がありますかね。

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